ビジネス場面では、相手を尊重しつつ、適度に自分の考えを表明することは重要なスキルです。
しかし、強く主張するとわがままだと思われそうですし、かといって弱すぎても自分の要望が無視されてしまいモヤモヤが残ります。
私に限らず自己主張が苦手という方は多いのではないでしょうか?
適切な自己主張、つまり自分の考えを「攻撃的にならず」「委縮することなく」伝える態度は「アサーティブ」や「アサーション」と表現されます。
そして、適切に自己主張するということを目指したトレーニング法をアサーショントレーニングといいます。
アサーティブなコミュニケーションスキルは非常に重要なものです。
そこで、アサーショントレーニングの要点をまとめてみました。
アサーションとは何か?
先に述べたように適切な自己主張のことをアサーションといいます。
◆アサーションとは
自分と相手の権利を尊重しつつ自分の考えていること感じていることを相手に素直に効果的に表現すること(平木(1993)やアルベルティとエモンズ(1994))。
自分と相手の権利を尊重しつつ自分の考えていること感じていることを相手に素直に効果的に表現すること(平木(1993)やアルベルティとエモンズ(1994))。
こうして文字にすると簡単なことのように思えます。
しかし、実際に人と話すときにはいろいろなことを考えてしまい、うまく主張出来なくなってしまいます。
上手に自己主張するにはトレーニングが必要です。
アサーショントレーニングの必要性
まず、現状の自分のコミュニケーションはどういうタイプのものか把握する必要があります。コミュニケーションは、 主張的反応、非主張的反応、攻撃的反応の3つに大別されます(平木(1993)やアルベルティとエモンズ(1994))。
● 主張的反応
相手の発言の自由を尊重し、自分の考えや気持ちを正直に率直に、その場にふさわしい方法で表明するような行動パターン。 相手にも発言する機会を充分に与えることができる。
●非主張的反応
自分の考えや気持ちを表明しなかったり、しそこなったりして自分の言論の自由を放棄してしまうような行動パターン。
●攻撃的反応
自分の考えや気持ちをはっきり表明はするのだけれども、相手の考えや気持ちを無視・軽視して相手に自分を押し付けようとする行動パターン。
相手に物事を伝えたいとき、自分の主張を押し殺してしまう人は多いのではないでしょうか。
日本は立場主義な部分があるので、立場の弱い人が充分に自己主張できているケースは多くありません。
非主張的反応や攻撃的反応を常に取ってしまう人は、心の中で不安や緊張を持っていると考えられています(平木(1993)やアルベルティとエモンズ(1994))。
まずはそれを自覚することが第一歩です。
アサーショントレーニングの方法
アサーショントレーニングは必要な考え方を習得することと、それを実践することから成ります。①主張的な反応することの大切さを知る
攻撃的にならずに適度に主張するためには、まずは意識改革です。・自分に関することは自分で決断を下す自由があること
・それに対して責任を持つ必要があること
・相手にも主張する権利があること
を頭にいれましょう。
②自己主張できない原因になる考え方をやめる
自己主張できない理由は不安や緊張です。- こんなこと言ったら嫌われる・恥をかくのではないか 。
- 主張してうまくいかなかったらどうしよう 。
- 今更訓練しても自分を変えることはできない。
具体的には、否定的な考えが頭に浮かんできたら次のように自分に言い聞かせます。
「そのようなことを考えるのはストップ!」
「相手も同じ人間!」
「落ち着けば大丈夫」
これを癖づけていくのが大事です。
③目標設定をする
主張的に反応することについてルールを作り、実行します。【ルールの例】
- 自分から人に働きかける
- 自分を大切にするために主張する
- 自分がどう感じているかを相手に伝える(アイ(I:わたし)メッセージ)
④主張の方法を学ぶ
頼みごとをきいてもらえるかどうかは、状況や言い方に左右されます。人に頼みごとをする場合には、
・タイミングに注意する
・肯定的な言い回しで具体的に述べる
・手の動きや顔の表情に注意する
などを心がけるようにします。
まとめ
アサーションは依頼するときだけではなく、依頼される立場に立った時にも役に立ちます。角が立たないように断ることができるようになります。
コミュニケーションに完璧な正解はありませんが、指標があるだけで心理的に楽になるのは確かです。
この記事はこの本を参考に作成しました。
とても読みやすいのでおすすめです。
ではまた♪