スピッツ「コメット」の歌詞の意味の考察

 私、スピッツ大好きなんですよね。

何気なく聞いていても引っかかるフレーズがあって、スッと入ってくるというか…

草野マサムネさんの歌声も大好きです。

そんなわけで、スピッツの歌の中でも詩が好きな「コメット」の歌詞について、私なりの解釈をしてみたいと思います。

コメットの歌詞

歌:スピッツ  作詞・作曲:草野正宗

誰でもいいよと生き餌を探して

迷路の街角で君に会った

黄色い金魚のままでいられたけど

恋するついでに人になった


押し寄せる人波に 流されないように

夕暮れ ホームへ駆け上がった


「ありがとう」って言うから 心が砕けて

新しい言葉探してる

見えなくなるまで 手を振り続けて

また会うための生き物に


すりむいた胸の奥に 痛みはあるけれど

可愛らしい戯言に 救われた


「さよなら」ってやだね 終わらなきゃいいのに

優しいものから離れてく

明日は来るかな ゴムボールが愛しい

転がってどこへ 追いかけて


切れそうなヒレで 泳いでいくよ

想像より少し遠いとこ


「ありがとう」って言うから 心が砕けて

新しい言葉探してる

見えなくなるまで 手を振り続けて

また会うための生き物に

「ありがとう」って言うから


冒頭の部分の意味

この歌詞、この冒頭の部分が大好きです!

誰でもいいよと生き餌を探して

迷路の街角で君に会った

黄色い金魚のままでいられたけど

恋するついでに人になった

コメットは金魚の品種ですよね。

この歌詞、そのままだと「金魚が人になった」ように読めますけど、私は「黄色」の方が変わったことを表していると思います。


餌によって魚の体色がはっきり鮮やかになることを色揚げといいます。

金魚の色揚げは「黄色」か「赤(かオレンジ)」になるらしいです。

そのため「黄色い金魚のままでいられたけど」という歌詞から、おそらく赤くなったのだろうと想像できます。

これが、「恋する」イメージとめっちゃマッチしてて、「エモすぎ…」となったわけです。


「誰でもいいよ」とか言って無気力だった主人公が「君に会った」ことで「人になった=人間らしい感情を手に入れた」ことを、

「生き餌」によって「黄色い金魚」が赤くなったイメージで表現するって、

すごくないですか…!!!

しかも、赤って書かれてないのに、私には赤が見えます…

この歌詞、秀逸すぎる…と思って本当に本当に好きです!!!!!!


その他のワードも好きだ

その他の草野マサムネさんっぽい言葉選びも大好きです。


ゴムボールが愛しい

ゴムボールは女性のイメージなのかな…と思っています。

どこに行っちゃうか分からない予測不能な可愛い女の子、みたいな。

正夢のPVでもカラフルなスーパーボールが出てきますし、スピッツの世界観とよくマッチしていて、ポップでありながら悲しげな印象です。


また会うための生き物に

これ、いいですよね~

「君に会うためだけに生きてる」って感じで。

それに、「生き物」という言葉も、「全ての役割を取り払った、ただの生き物としての自分」という感じで一途さを感じます。

ええなぁ…


やっぱ草野マサムネは天才だ

あの作詞作曲の能力とあの歌声をお持ちなの、奇跡のような人ですね…

スピッツはずっと長生きしてほしいなぁ…