少子化担当相が民間企業の子連れ出勤を推奨しているというニュースがありました。
闇が深いです。少子化担当相が子連れ出勤を視察 茨城・つくば市
宮腰光寛少子化対策担当相は15日、茨城県つくば市梅園の授乳服メーカー「モーハウス」を訪ね、子連れ出勤の様子などを視察した。
同社の子連れ出勤は、光畑由佳代表が自分の子供を会社に連れて出勤したことがきっかけ。現在では12人の従業員が子連れ出勤をしている。
宮腰氏は意見交換で「赤ちゃんはお母さんと一緒にいるのが何より大切だ」と指摘。光畑代表は「仕事をすることと子供と一緒にいることは両方できる。見た人はみんな『これならできる』と言ってくれる」と応じていた。
宮腰氏は視察後、記者団に対し「女性が働きやすい環境をつくっていくことは、これからの企業の戦略にとっても重要ではないか。両方にメリットがある」と述べた。
引用:産経新聞
政治家の意味とは
まず、企業が自発的に子連れ出勤に取り組んでいることは素晴らしいと思います。子どもと一緒ということは母親のリソースがそちらに割かれることになりますし、周囲の人の理解と協力も必要です。
たくさんの試行錯誤が必要だったのだろうと思います。
そして、結果的に子連れ出勤ができる会社が増えれば女性の選択肢が広がり、女性が働きやすく・産みやすい社会に近づくのかもしれません。
しかし、政治家がそれを推奨するのはどうなのでしょう?
そもそも、保育園に預けられなかったという理由で子連れ出勤をしている人もいるでしょう。
政治の仕事としては、保育所の整備やベビーシッターの補助など、他にやるべきことがあるはずです。
「民間企業が子連れ出勤を認めれば少子化対策になるぞ!」と考える政治家の存在意義とは何なのでしょうか?
これでは企業の努力にただ乗りしているだけです。
そこに大きな違和感を覚えます。
「育児は女性」という押し付け
さらに、「赤ちゃんはお母さんといるのが何より大切」という発言から、男性が子連れ出勤をすることは想定に入れていないことがうかがえます。結局「女がやればすべて解決」という押し付けでしかないのです。
子どものためを思えば、子どもが安心できる環境づくりが一番大切なはずです。
それは母親だけでなく、父親や育児の専門家など、皆で協力して取り組むべきことではないのでしょうか。
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父親不在の「少子化対策」は、「男は育児をしたくない」と言っているように見えます。
おじさんの価値観が少子化を招く
熊本市議会で緒方ゆうか議員が子どもを連れて議会に出席し、問題視されたことも記憶に新しいかと思います。
その際、緒方議員に対する非難が相次ぎました。
少子化について考えなければならない議員という立場の人間(主におじさん)でも、職場に子どもがいることは反対なようです。
子どもに関することは何でも「女性の問題」と捉えられがちですが、このような現状を見ていると「子供に関することは女に押し付けたいと考えるおじさんの問題」のような気がします。