毒舌のつもりで他人をいじってしまうと人間関係がこじれてしまうかもしれません。
「ただの冗談で?」と軽く考えてはいけません。
そこには話し手と受け手のミスマッチがあるのです。
通じているという「勘違い」
私たちは日ごろから、自分の気持ちが相手にどれだけ伝わったか推測しながらコミュニケーションをとっています。
しかし、その推測は間違ってしまうことが多いです。
自分の思っていることが相手に伝わっているはずだと考えてしまうことを透明性錯誤といいます。
●透明性錯誤
自分の心的状態を他者はどの程度分かっているのかを推測する場合、実際よりも通じている、分かってもらえていると推測しがちな傾向。
自分の心的状態を他者はどの程度分かっているのかを推測する場合、実際よりも通じている、分かってもらえていると推測しがちな傾向。
自分の気持が見透かされている(=透明)と勘違いしてしまう(=錯誤)ことからこう呼ばれます。
例えば、実験ではこのようなことを実際よりも高く見積もってしまうことが示されています(Gilovich & Savitsky, 1999)。
・自分のついた嘘がばれること
・自分が心配している気持ちが他の人に伝わること
・自分の意図が伝わること
・自分が心配している気持ちが他の人に伝わること
・自分の意図が伝わること
「うそがすぐばれるかもしれない…」とものすごく心配したけれど意外とばれなかった経験はありませんか?
人は「相手にどこまで伝わったか」を推測することが、それほど得意ではないのです。
そのいじり、通じてないかも
この間違いは、コミュニケーションのミスマッチを引き起こします。特に他人をいじるようなコミュニケーションが好きな人は要注意です。
否定的な意味合いの言葉を使って冗談を言う場合、冗談であるという意図が伝わっていない可能性があります。
これは研究(Kruger et al., 2006)でも示されています。
言う側は冗談を言って仲良くなろうとしているのかもしれませんが、ただの嫌な人と認識されているかもしれません。
実は冗談やいじりは高等コミュニケーションです。
気軽にしないほうがいいでしょう。
まとめ
他人をいじるようなコミュニケーションを取る人は多いですが、私はそういった人が純粋に好かれているのを見たことがありません。本人は楽しい冗談なのでしょうが、相手もそう思っているとは限りません。
不幸なミスマッチは少ないほうがいいですよね…本当に。
ではまた♪