それにもかかわらずその多くが中身が無いものです。
「不快な思いをさせて申し訳ない」は謝罪か?
企業の謝罪は形式的なものが多く、決まりきった文言を使ったものがほとんどです。
例えば、「不快な思いをさせて申し訳ない」という表現が代表的です。
例えば、「不快な思いをさせて申し訳ない」という表現が代表的です。
【お詫び】— 東京電力ホールディングス 株式会社 (@OfficialTEPCO) 2018年10月29日
この度、本アカウントの投稿により、皆さまにご不快な思いをおかけし大変申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。
不適切なキーワードを含む記事を訂正させて頂くために再度、投稿させて頂きます。今回頂いたご意見を真摯に受け止め、今後の活動に活かして参ります。
これでは謝っているのかよく分かりません。
「不快な思いをおかけして申し訳ない」は「不快な思いをする読者の問題である」と暗に示しているような印象を受けます。
このように、謝罪によってさらに反感を買うということも珍しくありません。
企業イメージを回復させる謝り方とは
企業のイメージは、起こした不祥事だけでなく、その「謝り方」によっても大きく影響を受けてしまいます。
企業イメージが損なわれると不買運動がおこったり、求職希望者が減ったりというような事態が予想されます。
企業イメージを保つことは危機管理の一つです。企業イメージが損なわれると不買運動がおこったり、求職希望者が減ったりというような事態が予想されます。
そのため「適切に謝罪できるか」というのは企業活動にとって重要な問題であると言えます。
どういった内容であれば企業のイメージを修復できるのかについて、いくつかの研究が重要な点を指摘しています。
田中・和田(1993)はイメージの修復のための謝罪の方法を示しました。
それは緊急記者会見を開いたうえで、この5つを含むべきであるとしています。
①謝罪表明
②現状説明
③原因究明
④再発防止表明
⑤責任表明
さらに、ひと段落したあとでの挨拶状において、
①謝罪表明
④再発防止策表明
⑤責任表明
を盛り込んだうえで、
1)再発に当たっての決意表明
2)支援のお願い
を記すことを進めています。
詫び状の書き方
会見を開いて公に謝罪を表明するようなことでなくとも、日常的にトラブルは発生しており、その都度適切に対処しなければなりません。
個人のミスであっても、企業全体の評価につながる可能性があります。
被害を与えた相手にどのように謝罪するかは、当事者だけでなく、企業にとっても重要な事なのです。
安田(1991)は詫び状の表現方法としてこの6つを挙げています。
①非を率直に認め謝る。
②見苦しい言い訳や弁解はくどくど書かない。
③ミスやトラブルの事実関係を速やかに確認し、善後策を明確にする。
④相手に非がある場合でもいきなり反論しない。お詫びを述べた後で、弁明を論理的に謙虚に表現する。
⑤信頼関係を修復したい旨を表す。
⑥卑屈な言葉を使わないように気を付けながら、再度迷惑をかけたくない旨を書く。
まとめ
謝罪の方法によってはさらに信頼を失墜させてしまうことがあります。
その反対に、謝罪の内容を考える過程で不祥事の原因を熟考し、その後の改善に役立てれば信頼を回復させることもできるかもしれません。
その反対に、謝罪の内容を考える過程で不祥事の原因を熟考し、その後の改善に役立てれば信頼を回復させることもできるかもしれません。
形式的な謝罪は原因究明の機会を失わせてしまいます。
謝罪の在り方には自己を顧みる真摯な姿勢が求められます。