BANANA FISH(バナナフィッシュ)感想 アッシュと英二のつながりに涙…

Amazonプライムビデオで観ました、バナナフィッシュを。
評判が良かったので気軽に見始めてしまいましたが、これやばい。

見終わったらもう、辛くて辛くて…
あぁ…アッシュ…

全然気持ちの整理がついていないのですが、すべて見終わってしまうと2期オープニングの映像の意味が分かってしまって、なおさら悲しいです。
そんな気持ちを書いていきたいと思います。
(以下、ネタバレ含みます)


第二クールオープニング「FREEDOM」



このオープニング、本当に大好きです。
かっこいいし登場人物たちの心情や、ストーリー展開を端的に表していて、何度も繰り返し見てしまいました。

朝焼けにそまるニューヨークの街並み、山を背景に佇むヒョウ、飛び立つ白い鳥から始まるのが、なんとも暗示的です。

物語の中で、白い鳥は自由の象徴として出てきています。
本編の第2話で、棒高跳びの要領で高い塀を乗り越えた英二に対し、アッシュは「お前はいいな、あんな風に飛べて」と話します。
そのシーンで二人が窓から見上げた空には、白い鳥が飛んでいました。

それを踏まえてこのオープニングを見てみます。
空を見上げる英二とシン。
この二人は「残された側」の人間です。
引用:Youtube TVアニメ「BANANA FISH」第2クール オープニング・テーマ「FREEDOM」
引用:Youtube TVアニメ「BANANA FISH」第2クール オープニング・テーマ「FREEDOM」

空からは鳥の羽が降ってきています。
アッシュは自由になれたのでしょうか。

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そして雪が降りしきる中、一人で歩くアッシュ。
既に亡くなってしまったグリフやショーターの面影が優しくて、だからこそ悲しい。

引用:Youtube TVアニメ「BANANA FISH」第2クール オープニング・テーマ「FREEDOM」

引用:Youtube TVアニメ「BANANA FISH」第2クール オープニング・テーマ「FREEDOM」

亡くしてしまった大切な人の面影を背負いながら生きていくのは、アッシュにとってあまりに重すぎた。
アッシュの表情が辛そうで、見ているこちらも本当に辛いです。
引用:Youtube TVアニメ「BANANA FISH」第2クール オープニング・テーマ「FREEDOM」

そしてグリフの笑顔は、心なしか英二に似ている気がします。
ショーターとの思い出にも英二がいた。
英二はアッシュにとって、兄でもあり友達でもあったのでしょう。

物語の最初の方で弟分のスキップを失い、兄グリフを失い、親友ショーターを殺してしまったアッシュが、英二を大切に思い、失うのをひどく恐れるのは自然な流れです。
アッシュにとって英二がどんなに大事な存在だったか、それを想像するだけで胸が痛くなります。

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そして足を引きずるようにして雪が降る町を歩くアッシュ。

最終話で英二が手紙に残した「My soul is always with you.」が示すように、アッシュを想う英二、英二の想いに包まれるアッシュ…。
そんな二人の関係性がものすごく伝わってきます。

そしてこの場面のアッシュの服装は、本編の最終回のもの。

その姿はさながら、死に場所を求めてさまようヒョウのようです。

引用:Youtube TVアニメ「BANANA FISH」第2クール オープニング・テーマ「FREEDOM」

アニメ13話で、アッシュは「死を思う時、ヒマラヤの頂上付近で死んでいるヒョウを思い浮かべる」という話をします。
英二はそれに対し、「運命は変えられる」と話しました。

しかし、運命は変えられなかった。
日陰の道を歩き、たくさんの人を殺してきたアッシュは、明るい場所で生きてきた英二と一緒に幸せになることは許されません。

その後に続くこのシーンも、二人が運命に抗えなかった様を暗示しているかのようです。

引用:Youtube TVアニメ「BANANA FISH」第2クール オープニング・テーマ「FREEDOM」

英二とアッシュの最後に会った場面を連想させる構図で(二人の位置が逆だけど)、もう切ない!!!
もうここ、本当に悲しい…

ここで、アッシュの背負った「運命」とは何なのかと考えざるを得ません。
美しさ、頭脳、カリスマ性、そういったものを持って生まれたこと…?
私は、それだけではないと思います。

アッシュの人生を狂わせた最初の出来事は子どもの頃に受けたレイプでした。
そしてレイプ被害を告発すると警察や大人たちに心無い言葉を吐かれます。
これが、周囲の大人への不信につながったことは間違いないでしょう。

きっとそんな出来事が無ければ、アッシュは無邪気な少年のままでいられたのではないかと思うのです。
カボチャを怖がって泣きながら兄の元に駆け寄る、そんな少年として、ずっと。

運命は一つの犯罪によって始まり、そして社会的な構造の中で後戻りできなくなってしまいました。
性犯罪が一人の人間の尊厳を傷つけ、人生を狂わせてしまったなんて、これほど悲しいことはありません。

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ただし、アッシュは英二の手紙によって、最期に救われたのだと思います。
あの手紙は、運命に連れ去られそうなアッシュを、寸でのところでところで救ったのかもしれません。

英二との出会いはアッシュにとって、ある意味で残酷なものだったでしょう。
英二のイノセンスは、アッシュが絶対に取り戻すことができないものだったからです。

でも、英二と出会わずニセモノの中で生き続ける人生より、英二と出会って救われる人生の方が幸せだったはず。

アッシュの最期の表情はせめてもの救いです。
アッシュにとってはハッピーエンドでした。

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その反面、英二はアッシュを失ってしまいました。
自分の手紙のせいでアッシュが死んでしまったことを、英二はこれから背負って生きていかなければなりません。
その喪失感や苦悩を想像すると、とてもしんどくなります。

そして私が視聴者として感じているこの喪失感は、英二の感じた喪失感に近いんじゃないかと思います。
辛い…辛すぎる…

これは続編の「光の庭」を読まずにはいられない…

私はアニメしか観てないので、その前に原作も読みたいと思います。

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もう本当に辛くて仕方がないので、最後に好きなシーンの画像を一つ。
このシーン、アッシュと英二の服がお揃いでかわいい♪
ずっとこんな風に過ごしてほしかったんです…
切ない。
引用:Amazonプライム 「バナナフィッシュ」第十八話 より

BANANA FISH、これは本当に名作です。
観ていない人は絶対観るべきです!

Amazonプライムビデオ BANANA FISH 第一話