コンビニ成人向け雑誌はエロいからダメなわけじゃない

セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートのコンビニ大手3社が、成人向け雑誌の取り扱いを中止することを発表しました。
これに対して、「エロがだめなんて不健全だ!」という反論があります。
これについて私見を述べたいと思います

なぜ成人向け雑誌をコンビニにおいてはいけないのか


まず成人向け雑誌をコンビニに置くことがなぜ悪いのかを理解するには、社会的影響について考えなければなりません。

コンビニ成人向け雑誌には、「JK」「レイプ」「凌辱」などといった、女性を性的な道具のように扱う文句が並んでいます。
これらは実際に行ったら犯罪になる可能性があり、加害行動を示唆しています。

こういったものは「当たり前のこと」であってはなりません

しかし現在の日本社会は、「どのようなものが性加害・性犯罪に該当するのか」ということが充分に理解され、周知されているとは言い難い状況にあります。

例えばこちらの記事では、レイプがセックスのプレイの一つだと思っていた男子学生の話がありました。
例えば昔、「レイプが女性の人格を切り裂く殺人的行為だなんて考えたこともなかった。セックスのバリエーションのひとつくらいに思っていた」という感想文を書いてきた男子学生がいましたが、僕はこれに大きなショックを受けた。学ばないとは、こういうことなんです。
引用:wezzy
性犯罪関連のニュースだけでレイプという言葉を見聞きしていた場合、こういう認識にはならないはずです。
AVなどの表現物の影響と考えられます。

また、2017年に放送された「あさイチ」のアンケートでは、「泥酔している」「2人きりで飲酒」などが性的合意に当たると答えた人が3~4人に一人いるという驚くべき結果がでました。
(厳密な統計調査というより簡単なアンケート形式の調査だと思われるので、サンプルの偏り等を考慮すべきですが、それでも驚くべき結果です。)
参照:BLOGOS 2人きりで食事は性的合意!?「女性のOKサインを見逃すな」のウソ

つまり、現在の日本社会は「性加害」と「性的なコミュニケーション」の違いを啓蒙している段階にあります。
それにも関わらず性加害行動を肯定的に表現するものが「メジャーなもの」として存在することは、この啓蒙活動の妨げになる可能性があります。

コンビニ成人向け雑誌は、性加害を「普通のこと」と認識させる社会的影響がある可能性があるため、ダメなのです。

きちんとゾーニングし、専門店などでだけ取り扱うのが望ましいと考えます。
多くの人が来店するコンビニには似つかわしくない商品です。
特に男児、女児に対する影響を考えると教育的な問題があります。

「成人向け雑誌を完全に撤廃せよ」と言っているわけではなく、マイナーで日陰の存在でなければならないということです。

日用品と比べる愚挙

さらにネット上には、「コンビニエロ本がダメならこれはいいんですか~」といって他の物と比べる声がたくさんあります。
その商品に「加害行動を後押しする社会的影響があるか」という点で考えれば、自ずと答えは出るはずです。

しかし大抵のものは比較対象にならないものばかりを比べて女性に難癖をつけているように見えます。
一番驚いたのは「生理用品」です。

なぜ生理用品と成人向け雑誌を比べるのか分かりません。
生理用品はただの日用品です。
トイレットペーパーやばんそうこうのようなものです。

「女性だけが使うものだからか?」と思いましたが、ツイッターの反応を見ていると、過剰に性的な意味づけをしているようです。
それも女性を性的に消費する風潮の一環であるとすれば、批判すべき視点です。

まとめ

エロはダメと言っているわけではなく、ゾーニングすべきというだけです。
さらにコンビニ成人雑誌は女性店員へのセクハラに用いられたりもしていたようなので、セクハラ対策の意味もあるのでしょう。

ただ、今回の大手3社は主にオリンピックに向けた対応だと発表しており、海外の方の目を気にして変更するというのは少々情けない感じがします。
自浄作用はないのかと。
2017年に成人向け雑誌の取り扱いを中止したミニストップとの違いを感じます。

しかし結果的にはいいニュースです。
いい流れだと思います。

ではまた♪